だいすん の かんげきdiary

宝塚歌劇ファン歴3年目の初心者ですが、観劇の感想や思い出などを、徒然と書いていきたいと思います

花組 新源氏物語 〜紫の上のシアワセ〜

しばらく更新が滞っていました…。
3連休はみなさまいかがお過ごしでしたでしょうか?
私は、心も体もひたすらダラダラさせながら、暇を持て余すというなんとも贅沢な、言いかえればなんとも自堕落な日々を過ごしておりました。

昨日のスカイステージは、体育の日ということで、過去3回分の宝塚歌劇大運動会の様子が放送されていました。
90周年の運動会では、音月桂さんや柚希礼音さん、凰稀かなめさん、早霧せいなさん、美弥るりかさん達の若手時代のお姿が写っていました。
若手だった皆さんも、10年後の100周年の運動会ではトップさんや組を支える中堅男役として活躍しておられ、10年という時の流れの中の皆さんの歩みと努力とをヒシヒシと感じました。


さて、ここ何回か続けている、新源氏物語の登場人物に関する独断と偏見まみれの解説ですが、今日は、桜咲彩花さん演じる紫の上について、復習がてらまとめてみたいと思います。

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紫の上といえば、光源氏が自らの手で作り上げた理想の女性です。

藤壺への思いがつのり気持ちが沈んだ光源氏は、北山に気分転換に行きます。そこで見つけたのが紫の上。「可愛い!どことなく藤壺に似てる!」と気持ちが昂じて「引き取らせてください!」と半ば強引に家に連れて帰ったのです。

実は藤壺の姪っ子にあたる人で、本当なら良家のお嬢様といった身分の人なのですが、側室の子どもであったため、母子ともに正妻から疎まれて生まれた家を追われ、幼くして北山に住む母方の祖母(尼君/高翔みず希さん)に引き取られます。実の母親は、家を追われて間もなく亡くなってしまいました。

なんだかこの境遇、光源氏と似ています。光源氏が彼女を引き取ったのも、単に紫の上の愛らしさや成長可能性に魅かれてのことだけではなく、自分と似た境遇の彼女に対する考え方シンパシーを強く感じてのことだったのかもしれません。

こうして光源氏に引き取られた紫の上。
光源氏が頭の中将達と雨の夜に女性談義をしていた中で、「こんな女性こそ理想!」と言われていたまさにそんな女性に成長していきます。つまり、見目麗しく教養があり、浮気もせず、夫の浮気にも嫉妬しない人…。

どこにいんねん!そんな人!と突っ込みたい気持ちでいっぱいですが、紫の上はその理想を地でいく人でした。

藤壺に似た美貌を持ち、光源氏に学んだ洗練された教養を身につけ、一生の大半を光源氏と共に過ごす…。
晩年、紫の花より遥かに年若の女三の宮が降嫁してきても、嫉妬するどころか「よろしくね」と頭を下げる…。

本当によくぞここまで理想通りに…と言いたいところですが、紫の上だって人間です。
おそらく、光源氏が他の女性の家で夜を明かす夜ごとに心中複雑だったでしょうし、きっと枕を濡らした夜だってあったでしょう。特に、女三の宮が光源氏の正妻として嫁いできた時の紫の上の心中を察すると、切ない思いがこみ上げます。

葵の上の没後、ながらく空席になっていた光源氏の正妻の座。紫の上は、光源氏を長年内助の功で支え続けながらも、出自的・身分的な理由があり正妻にはなれませんでした。
それでも、正妻がいない間は、名実ともに光源氏を一番理解し支えているのは私だという自負はあったと思います。そんな中での女三の宮の降嫁。紫の上にとっては、ずっと互いに支え合ってきた光源氏からの裏切りのようにも感じられたかもしれません。

そんな複雑な思いを抱えながらの「よろしくお願いします」の言葉。桜咲さんの紫の上からは、自分の感情をひた隠し、光源氏の理想の女性であり続けようとした紫の上の強さが感じられました。

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幸せの形は人それぞれ。

紫の上にとっては、たとえ光源氏が自分を通して別の誰かを見ていたとしても、光源氏の庇護のもと、たとえ正妻ではなくても、理想の女性として敬われ愛され続けることは幸せだったのでしょう。

私が紫の上なら………また別の生き方も幸せだと感じるかもしれません。

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今夜はタカラヅカニュースを見て「絆!絆!」を一緒に言わないといけないので、今日はこの辺りで失礼いたします。雪組の皆さん、無事に千秋楽が迎えられて本当に良かったです。ハードな公演を重ねた約3ヶ月、本当にお疲れさまでした!


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