だいすん の かんげきdiary

宝塚歌劇ファン歴3年目の初心者ですが、観劇の感想や思い出などを、徒然と書いていきたいと思います

なぜ宝塚でJ-POPを聞くと「もにょる」のか 〜星組『ESTRELLAS〜星たち〜』感想

明けましておめでとうございましてから、はや1週間。 寒中お見舞い申しあげます。 だいすんでございます。

昨年は、『大混戦 キラキラタカラジェンヌ』などという大層な企画を始めた割には、花組月組の2組で力尽きた、おろかなだいすんでございます。 今年は、少なくとも週1ペースで更新していけたらなぁ・・・と思っております。 つれづれ、つらつら、駄文を重ねております本ブログですが、本年もご愛顧いただけますと嬉しいです。 どうぞよろしくお願い申し上げます。

さて、2019年一発目の記事は、105周年の幕開けを飾っている星組公演について書きたいと思います。 といっても・・・お芝居の『霧深きエルベのほとり』ではなく、スーパー・レビュー『ESTRELLAS~星たち~』について、です。先日、初日があけて間もなくNHKでも放映されましたよね。 いろいろと異色ともいえる、このショーについて、以下、ネタバレを伴って述べていきたいと思います。

なぜ、宝塚の舞台でJ-POPを聴くと「もにょる」のか

これが、今回の記事の大きなテーマです。

 ※「もにょる」とは、違和感やわだかまり、こそばゆい感じのことを意味します。

もうご覧になった方はお分かりかと思うのですが、このショーで使われている楽曲のほとんどは、J-POPK-POPや洋楽もありますが)です。

SEKAI NO OWARI、MISHA、平井堅flumpoolORANGE RANGE などなど・・・

初観劇の時、次々と歌われるJ-POPの波に、私は「この場面もJ-POPかい!」とツッコまずにはいられませんでした。そして観劇語、心にはずっと「もにょもにょ」した感じが残っていました。

なぜ、宝塚の舞台でJ-POPを聴くと「もにょる」のだろう・・・。 自分なりに考えたすえ、私なりの理由にたどりつきました。

それは、宝塚の舞台に私が求めているのは「宝塚らしさ」なのだ、ということです。

宝塚らしさを求めて

これまで、ショーやお芝居でJ-POPが使われることは、よくありました。 104期生のラインダンスにも使われていましたし、かつてはトップスターが退団公演でアニソンを朗々と歌いあげていたこともありました。 ただ、私の記憶の及ぶ限りでは、使われているのはどれも1場面程度で、今回のようにほとんどの場面がJ-POPで占められていることは、皆無に等しいのではないかと思います。

「もにょる」気持ちを言葉にしていく中で浮かんだのが、「こんなにJ-POPが続くと、宝塚らしくない」という思いでした。

ただ、私は「宝塚のオリジナル曲でないから、宝塚らしくない」とは感じません。 各種の洋楽やクラシック、ディズニー音楽などは、宝塚のオリジナル曲ではなくても、宝塚らしいと感じて自然と受け入れることができることが(私は)多いからです。

J-POPは(個人差はあると思いますが)、日常生活の雰囲気を色濃くまとっているものだと思います。 CDや音楽番組などを通して能動的に聞く以外にも、テレビやラジオ、カラオケ・・・色々な場所で、聞くともなく聞いているそれらの曲が、夢の世界である宝塚で奏でられると、すこし「日常感」が混ざってしまう・・・それが、「もにょる」気持ちの一因になっているのかな、と思いました。

ただ、その日常感の混入も、1場面や2場面程度であれば、宝塚の夢の世界観の方が濃度が強いので、あまり感じずにいられると思います。 記憶に新しいところでは、花組公演『Sante!!~最高級ワインをあなたに~』の男役群舞の曲は、長渕剛さんの「乾杯」でしたが、(歌詞が歌われていなかったこともあいまってか)ピンポイントで奏でられていたため、違和感はあまり感じず、むしろ良いアクセントとして作用していたように思います。

何事も、過ぎたるは及ばざるがごとし・・・ 今回は、私にとっては少し、「日常感」の強いショーのように感じられました。

ただ、今回のショーでJ-POPを多用することの意義もあったとは思うのです。

冒頭にも書きましたが、このショーは早くもNHKで放映されています。 昨年末から、4K・8K放送開始のキャンペーンを通してテレビへの露出が少しずつ増えているところでもありますし、105周年という節目の年にまた新たなファンを開拓していくために、多くの人に耳なじみのある曲を用いて興味を持ってもらうきっかけ作りをした、とも言えます。

色々と書き連ねてきましたが、なんだかんだ言いつつ、私はこのショーが嫌いではありません。

男役群舞の「情熱大陸 with→Pia-no-jaC←」は興奮しますし、七海ひろきさんの笑顔と3番手羽根を観ると胸に迫るものがありますし、瀬央ゆりあさんが一人で銀橋をわたり、一人で大階段を降りてきたのを見た日にゃあ「今日まで、生きてきてよかった・・・」とも思いますし、礼真琴さんのどこまでも上手になっていく姿にはただひたすら平伏しますし、下級生が色々と頑張っている姿にもグッときますし、紅ゆずるさんと綺咲愛里さんのデュエットダンスは夢のように幸せな雰囲気が満ちていてウットリしますし・・・・・・(客席降りもいっぱいありますし・・・)

最終的には、日々の舞台を懸命につとめるタカラジェンヌの姿が何よりも「宝塚らしい」と思わせてくれるので、もにょったりウダウダ言ったりしながらも、今日も今日とて、たくさんのレーザービームを浴びつつ、星組公演を楽しもうと思います。