だいすん の かんげきdiary

宝塚歌劇ファン歴3年目の初心者ですが、観劇の感想や思い出などを、徒然と書いていきたいと思います

大混戦 キラキラタカラジェンヌ 2018 ~月組編~

せまる年の瀬、寄る年波…だいすんでございます。

先日、「今日から毎日1組ずつ、今年輝いていたと思ったタカラジェンヌを発表します!」 なぁんて調子よく宣言いたしておりましたが、はやくも2日目にして頓挫した哀れな女、それが、私でございます。

厚顔無恥なだいすんといたしましては、何食わぬ顔でシレッと月組編をはじめようと思います。

大混戦 キラキラタカラジェンヌ 2018 ~月組編~

現代の日本を舞台にした『カンパニー』、ストーリー性と個性的なキャラクターに富んだショー作品『BUDDY』という異色の2作品で幕を開けた今年の月組。 年末には大作エリザベート月組生のみで演じきり、トップ娘役・愛希れいかさんの見事な集大成となりました。

Twitterで私をフォローしてくださっている方はお気づきかもしれませんが、わたくし、珠城りょう大好き人間ですので、「最も輝いていたのはいつだって珠城りょう」状態なのですが・・・ 今回はたま様以外の生徒さんで選んでみようと思います。

今年、月組で起こった出来事の中でトピックとなるべき事柄はいくつかありますが、その中でも記憶に新しいのが『エリザベート宝塚大劇場公演における、美弥るりかさんの休演です。 休演に際し、ルキーニ役の月城かなとさんが皇帝・フランツを演じることになり、そのルキーニ役の代役を演じたのが、新人公演でも同役を演じた風間柚乃さんでした。

今回エリザベートを2度観劇したのですが、そのうちの1回は、この代役公演でした。 「風間柚乃、好演!!」との前評判は耳にしていたのですが、開演直前まで、なぜか観客の私はガンガンに緊張していました。 新人公演で演じているとはいっても、なんせ彼女は研5。狂気に満ちた役柄の難しさはさることながら、狂言回し的にお芝居を展開させていく立ち位置でもあるこの役は、狂気一辺倒ではなくクールさも持ち合わせていなくては務まりません。果たして本公演において、代役である彼女が他の出演者(上級生)と比べて遜色なく演じきることができるのか・・・。自分の目で見て確かめてみるまでは、なぜか不安でいっぱいでした。

開演のブザーが鳴り、バイオリンの不穏な響きが場内に響き渡ります。 上手を凝視する私の目に、ルキーニが飛び込んできました。 裁判官に皇后の死の秘密を語る彼女は、代役・風間柚乃ではなく、立派なルイジ・ルキーニでした。

彼女の舞台度胸は非常に強く、私が感じていた不安を一気に吹き飛ばしてくれるほどの演じっぷり。 「ほんまに研5やんな?」と心の中で何度も自問しながら、彼女の演技に釘付けになっていました。 さすがに2幕冒頭の写真撮影はアドリブなしで手堅く乗り切っていましたが、ルキーニとして空気を動かしている!と思う場面がたくさんありました。

フィナーレ。パレードで大階段を降りてくる彼女に万雷の拍手が降り注いだ瞬間は、今でも忘れることができません。

後日、タカラヅカニュースの新人公演トークを見直していると、彼女のクレバーさを改めて感じ入りました。 ルキーニという難役についてきちんと整理して捉えていて、それを言葉にして語ることができる。 役に入り込みつつも、その役を冷静に見つめる視点を持ち合わせていることは、役者にとって大切な姿勢だと感じます。 今後、彼女がその資質を活かして、立派な男役として成長していく姿が本当に楽しみでなりません。

そして・・・ もう1人、憧花ゆりのさん。 私は憧花さんのお芝居が本当に好きでした。どんなに短い台詞の一つにも心の動きを感じさせ、間の取り方も抜群。台詞の無い間の舞台上での時間と空間の使い方も見事で、そうした居方がその後の台詞を生きたものにする瞬間をたくさん見ました。 「芝居の月組」を組長として牽引してこられた憧花さん。彼女が厳しく優しく月組子に伝えてきたであろう思いは、これからの月組でもきっと生きていて、その芝居の中に彼女の面影をふっと感じることでしょう。

明日は、できれば明日こそは、ちゃんと雪組編を書きたいと思います。