だいすん の かんげきdiary

宝塚歌劇ファン歴3年目の初心者ですが、観劇の感想や思い出などを、徒然と書いていきたいと思います

花組公演 『新源氏物語』 観劇レポート

めろでぃーあー!愛のめーろでぃーあー!


余韻から全然抜けきれない、劇場からの帰り道。
主題歌も頭の中でエンドレスリピートでございます。

花組大劇場公演『新源氏物語/Melodiaー熱く美しき旋律』、10月4日の15時公演を観劇してまいりました。

今回は初めてのSS席での観劇…。SS席の中でも最後列の7列目だったのですが、それでもやはり舞台との距離感はかなり近く感じました。
それと、初めて気づいたのですが、SS席では座席の足元が通路と同じ絨毯引きなんですね。S席やA席では足元は普通の床だったので、そんなちょっとした違いも初体験することができました。

私は、その日の座席から舞台までの距離感を、指揮者のご挨拶の時に指揮者さんがどれくらい近くに、或いは遠くに見えるかで確かめる癖があるのですが、今日は佐々田愛一郎さんがかなり近くに見えました。


「これは…かなり近いぞ……‼︎」と開演前から期待はいや増していきました……。

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源氏物語

美しくて涙が出る、という経験をされた方はいらっしゃるでしょうか?
まだそんな経験をしたことがないという方は、ぜひ新源氏物語の幕開きを、そして明日海りおさんをご覧になってください。


明日海さん光源氏は、まさに浮世離れした美しさでした。尊さすら感じさせる美貌。溢れ出る気品はもちろんのこと、どこか妖艶さも感じさせ、そしてふと触れた瞬間に手折れてしまいそうな儚さもある、精巧で一点の曇りもないガラス細工のような美しさ…。
そんな明日海さんが、幕開き一番、銀鏡の中央に屹立しておられます。

そしてその背後には雅にきらめく公達や女官たちが連なり、華やかな宮中世界を描き出している……。目にも楽しい美しさとは、このことを言うのだなと実感いたしました。客席からも思わずため息が聞こえ、一瞬にして2000人を超える人々が物語の世界観に引き込まれていくのが分かりました。


物語のあらすじとしては、光源氏の青年期〜壮年期前半までの人生を、光源氏にまつわる女性達との関係を中心に描き出していく、というものでした。
源氏物語には、500人近くの登場人物が出てくるそうで、劇中でも、惟光や頭中将、藤壺女御や紫の上などのメインキャストをはじめ、車争いの際の随身の一人ひとりに至るまで役付けがされており、花組生の皆さんがそれぞれに役を全うしておられる様子を見ているだけでも、華やかな平安絵巻を見ているようで楽しめました。

その中でも、柚香光さん演じる六条御息所には、何度も鳥肌がたちました。

六条御息所は、とても高貴で気位の高い女性です。かつては皇太子の妃でもあった人ですので、教養もバッチリ身についています。恐らく、藤壺や葵の上などと比べると少し年齢は上だと思われますが、年齢の差をしのぐだけのいわゆる「大人の女」の魅力を備えた人だと思います。
亡き皇太子との間に一人の娘ももうけていることも考えると、光源氏と出会うまでは、色恋沙汰の最前線からは一歩引いた立ち位置にいたと思われます。
そんな彼女が、自分よりかなり年下の光源氏と出会い、その魅力に触れ、そして溺れ、年甲斐もなく、脇目も振らずただひたすらに彼の愛を求めるようになってしまいます。

無理くり現代で例えるなら、「最近のジャニーズってみんな10代か…。一回りも下だとやっぱり子どもっぽく感じるわね」なんて言ってるアラサー女性に近いでしょうか(そんな人がいるかどうかは分かりませんが)。
彼女は、思いがけずどストライクのジャニーズメンバーと巡り会い、中高生のファンに混じってコンサートやライブに通いつめ、遠征費やグッズ費に湯水のごとくお金をつぎ込んでいってしまいます…。そして、そんな自分の姿をふと振り返り、「いい年して私何やってるんだろ…」と自己嫌悪に陥る……

書いてみて何だか全然違う気もしてきましたが…(笑)
とにかく、六条御息所光源氏の愛が欲しい、けど色恋に熱をあげる自分もなんだか恥ずかしくて、でも通いの足が遠のけば遠のくほど思いは募り、ますます光源氏に執着していってしまいます。


柚香さんの溢れ出る艶やかさと彫像のような美しさからは、六条御息所の気高さと、心の奥で燃えたぎる執心の強さがヒシヒシと感じられました。

特に、車争いの後に生霊となるシーンでは圧倒的な存在感を放っており、この世のものとは思えない不気味な美しさが存分に感じられました。「もっと前に出てきてくれたら表情が拝めるのに…‼︎」と歯がゆかったですが、舞台のかなり後方に位置していることも異世界的な存在であることを強調していると考えたら、立ち位置も含めて全てがしっかりと演出されているんだなぁと思いました。
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この公演は、大劇場でもチケットが取りにくく、残念ながら今日が最初で最後の観劇でした。

たった一度の観劇でしたが、最後に『新源氏物語』の私的見どころポイントを幾つか書いてレポートを終えようと思います!
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独断と偏見による個人的おすすめポイント!

  • 幕開き!この一瞬を観るだけでも十分なくらい素晴らしい!!
  • 女官の皆さんの衣装!着物の襲(かさね)の色合いがとても美しいです。
  • 四季折々の木々花々を模した舞台装置。藤に松、紅葉にと、舞台上部を彩ります。
  • 水美舞斗さんの若い公達っぷり。個人的に彼女演じる藤式部之丞が一番女ったらしなのでは?と感じさせるくらい爽やかイケメンでした。
  • 弘徽殿の女御役の京三紗さん、右大臣役の天真みちるさん。ストーリー的には敵役ですが、憎めないコミカルさで、話中、一服の清涼剤的な存在となっていました。

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Melodiaの感想は、また後日。
(おそらく芹香斗亜さん中心の感想になる予感でいっぱい…‼︎)




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