だいすん の かんげきdiary

宝塚歌劇ファン歴3年目の初心者ですが、観劇の感想や思い出などを、徒然と書いていきたいと思います

今日からともみ。〜月組公演観劇レポート①〜

長かった・・・・・・。


月組初日から1週間と数日・・・・・・。
スカイステージ、公式HP、Twitterなど、すべてのメディアの情報をセルフ規制し、万全のまっしろな心で迎えた今日のmy初日。


端的に申しましょう。



つっきぐっみ、最高!最高!最高!!




以下、観劇レポートです。
まずはお芝居から。
※ネタバレを含む記載があります。ご留意ください。
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伊吹有喜さん原作のお芝居、『カンパニー』
パンフレットで演出の石田先生もおっしゃっていましたが、原作の流れはベースにしつつも、多分に舞台オリジナル要素を含んだ展開となっています。



なかでも大きな変更点は、主人公・青柳誠二(原作では誠一)の年齢や状況でしょう。
原作の青柳さんは、いわゆる、しがない中年サラリーマン。

仕事一筋!というのでもなく、ただ与えられた役割を地道にこなし続けてきた「つまらない」男性でした。
一方、その地道さや「つまらなさ」という性格はそのままに、宝塚版の青柳さんは若手のサラリーマンに。
割と理不尽な理由で離婚された原作とは異なり、最愛の妻と離別している、という設定です。



冒頭、亡き妻の写真をスマホで眺めながら「ともみ・・・今日も一日頑張るよ」と呟く青柳さん。
おそらく、妻を亡くしたこの2年間、そうして朝一番の挨拶を亡妻に呼びかけることが、彼の日課になっているのでしょう。


「私の本名がともみだったら・・・!」という、客席中のともみじゃない人たちの無念さを背に、青柳さんは上司に意見してまさかの戦力外通告。出向先のバレエ団の公演を成功に導くために、門外漢のバレエの世界に飛び込みます。


現代の日本が舞台のこのお芝居。
東京オリンピック」やLGBTに関する話題などにも触れられていて、宝塚らしからぬ意外性を感じさせます。初見の時は、そんな社会派感あふれる台詞が少々気になりもしましたが、そこは演技の月組
言い回しや抑揚の工夫、間の取り方がだんだんと洗練されていくうちに、違和感も少しずつ抑えられていくように感じました。



現代の日本を、夢の世界の大横綱である宝塚で描き出すのは、相当のむずかしさがあると思います。
現実感がなくてはいけない。
でも、宝塚らしさ=究極の非現実感もなくてはならない。


実際「夢を見せる」という点では、「人事考課」や「バレエ団の実情」「舞台人とファンとの関係」などの現実的なテーマを取り上げるのは、かなり危険な賭けであったと思います。

宝塚の舞台に浸る3時間は、多くの観客にとっては現実を忘れることのできる時間です。
どんなにつらく、しんどいことがあっても、宝塚の非現実性にどっぷりつかった後は、また頑張ろうと日常生活に戻ることができる、という方は、私以外にも多いのではないでしょうか。


私個人としては、「カンパニー」の観劇中、ふと自分の現実生活をかえりみながら観ている瞬間は、他の公演と比べてすこし多かったという実感があります。
ですが、それと同時に、今までに感じたことのなかった不思議な感覚も感じました。



それは、舞台と客席の距離感の近さです。
舞台上の世界はもちろん虚構で、現実世界にあんなにハンサムなサラリーマンはいないし、コンビニであんなにキュートな店員さんと出会うこともめったにありません。
ただ、その登場人物たちが息づいている世界は、私たち観客がさっきまでいた現実世界とおんなじなんだ。
という思いは、舞台と客席の間にある壁をぐっと薄くして、「おなじ世界を生きる人たち」に対する親しみすら感じることができました。


「リストラの危機」「癌による妻の死」「バイトをしながら夢を追いかける」
あまりに現実的すぎるテーマは諸刃の剣でもあったでしょうが、月組生たちの熱演により、今までにない親近感や血肉の通った共感を、私は登場人物たちに感じることができました。


ラストが大円団で終わるのも救いがあって、観終わった後はなんともほっこりすることができました。



ほっこり、とは言いつつも、
美弥るりかさん愛希れいかさん暁千星さんなど、踊りの名手たちのバレエを堪能できるし、たま様のワイシャツ+タオル姿や法被、浴衣姿、リュックサック姿、スーツケース姿も堪能できるし、まゆぽんがラーメン食べてる姿も堪能できるし、舞台のあちこちで繰り広げられている月組生の小芝居も堪能できるしで、目があと6個くらいあったらいいのに、というお芝居でした。
今後もどんどんブラッシュアップされていくのがたのしみです。



次回は、破天荒・破格・悪徳非道のショー『BADDY』について
溢れんばかりの感想を述べたいと思います。







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