だいすん の かんげきdiary

宝塚歌劇ファン歴3年目の初心者ですが、観劇の感想や思い出などを、徒然と書いていきたいと思います

星組公演 ガイズ&ドールズ 観劇レポート② アデレイドちゃんの風邪について

大いに笑い、心の底から幸せを感じた星組観劇から一夜明け、シルバーウィーク明けの出勤という現実を何とかねじ伏せたこのテンションで、昨日の観劇レポートの続きを書いていきたいと思います。



昨日の記事(星組公演 ガイズ&ドールズ 観劇レポート - アラサーだいすん の かんげきdiary)で、スカイの感じている孤独さについて書き、支離滅裂な文章にはなってはいなかったかと、今更ながら不安に思っているのですが…とりあえず昨日の記事もベースにしながら、他の登場人物も絡めて考察とレポートを進めようと思います。

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3度この作品を観劇して最終的に感じたことは、ガイズ&ドールズとは、劇中の言葉を借りれば、スカイの魂の救世にまつわる物語だったのかな、ということです。

明るく気さくで人望厚いスカイ。でもどこか自分の本心を隠して、素直(オベディア)な自分の気持ちを否定していて、誰にも頼らず誰も信じることができずにいる。そんな彼が、サラとの出会いによって、サラの素直さや屈託のなさに惹かれ癒され、素直な自分の気持ちと向き合う過程が、劇中では描かれています。

そういう視点で見ていくと、スカイ以外の登場人物達も、どこか救い(=現状打破)や自分に足りない物を求めていて、人との出会いによって足りない物を得て、新たな人生が展開するといったストーリーが見えてくるような気がします。


一番分かりやすいところでいくと、礼真琴さん演じたアデレイドちゃんでしょうか。(紅さんのアデレイドちゃん呼びは、個人的にツボでした)
アデレイドちゃんは、何とネイサンと14年間も婚約しているんですよね。ものすごく惚れているとしても、結婚に煮えきらないままギャンブルやめるやめる詐偽をしている男性と、14年間も交際し続けるのはあまり現実的ではありません。
アデレイドはスカイとは真逆で、「ネイサンが好き」という自分の本心に素直になるあまり、「万年フィアンセ」という非現実的な現実を渋々受け止めている。その結果、「結婚したいけど出来ない。ならばいっそ別れればいいけど、それも嫌」という矛盾にさいなまれ、心の不調が「風邪」という体の不調として現れているのかもしれません。

「結婚できない」という現実を打破するために、アデレイドちゃんなりに手を尽くしてはいる(嘘の電報など)のですが、いかんせん外堀を埋めていくような方法でいまいち決定打に欠けるので、一枚上手のネイサンには調子良くかわされ続けてしまいます。


そんなアデレイドが、「結婚したいんじゃなくて、結婚するんだ!」と意識を大改革したのは、夜明けのニューヨークの街角、サラとの出会いがきっかけでした。

救世軍の一員であるサラとHOT BOXのショースターであるアデレイドとは、社会的な立場も何もかも正反対というように見えますが、それぞれがお互いに足りない物を持つ相手同士。劇中での絡みは一瞬ですが、親友のようにお互いの思いを語り出します。

(サラとアデレイドのこの場面がすごく短いのに、ものすごく印象に残ったのは、星組の95期生としてこれまで積み重ねてこられた妃海さんと礼さんの絆の強さが感じられたからかな、と思いました)

アデレイドに欠けていたのは、サラのような気丈さや決断力の強さ。一方サラに欠けていたのは、アデレイドのように自分の素直な気持ちに従う心の強さを持つことでした。


劇中では、アデレイドがどのようにしてネイサンとの結婚にこじつけたのか、ギャンブラーの道から足を洗わせたのか、という裏側は語られません。
どんな芝居をうったのか、既成事実を作ったのかは分かりませんが、サラとの出会いによって、思い切った手を打つだけの決断力の強さを彼女が身につけ、自分の手で人生を切り開いていったのは確かなんだろうと思いました。

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なんだかものすごく長く、つらつらと駄文と愚考を述べてしまいましたが…


実際の観劇中は、北翔さんの男役に酔いしれ、妃海さんのハヴァナのシーンの可愛さに撃沈し、次々繰り出される紅さんのアドリブに笑いを堪え、礼さんのアデレイドがひたすら可愛くてギャーギャーと心で叫び、七海さんが星組でオドオドした演技を伸び伸びとされているのを見て何故だかジーンと感動し、ひたすらガタイの良い十輝さんがツボにはまる



……といった感じで………
ビバ!新生星組!ビバ!宝塚!
という気持ちでいっぱいです。


思いの丈をぶちまけたところで、一旦レポートを締めようと思います(^o^)