舞台のうえで生きるひとびと
連日、大盛況のなか熱演がくり広げられている月組公演『エリザベート』。
今日、主要キャストのフランツ・ヨーゼフを演じる美弥るりかさんの休演が発表されました。
月組 宝塚大劇場公演 休演者のお知らせ | ニュース | 宝塚歌劇公式ホームページ
理由は体調不良、復帰時期は未定となっています。
Twitterを見ていると最近喉の調子があまりよくなかったという情報もありました。『エリザベート』は歌の多い作品ですし、特にフランツの歌は美弥さんにとって少し高い音域の曲も多かったため、喉に相当の負担がかかっていたのかもしれません。
舞台は生物(なまもの)です。ごまかしや妥協を隠すことはできず、自らの一挙手一投足すべてが、観客の眼にさらされます。なにかミスや失敗があったとして、仲間には「○○がうまく出来なくて」と弁明をすることができますが、観客に対して弁明するチャンスは舞台人には与えられていません。
私たち観客は、演者の舞台を観て、彼女(彼)のおかれた状況を推測することしかできません。ときに、推測は噂を呼びます。邪推を呼ぶこともあります。ただ、推測はあくまでも推測。事実はいつも、舞台のうえでのみくり広げられるのです。
誰かが休んでも、舞台は続きます。
それは舞台の厳しさでもあり、また優しさでもあります。
支えてくれる仲間がいるから、これからも続く役者生活のために、いま美弥さんが休養をとることができるのです。
美弥さんの無念や悔しさ、悲しさは想像するにあまりあります。またファンの方々も胸が締めつけられるような思いをされていることでしょう。いまはただ、美弥さんが再び舞台でフランツとして息づく日々を、祈りながら待つしかありません。
月組がこれまで培ってきた組力を今こそ遺憾なく発揮して、代役の皆さまによる舞台も素晴らしいものとなりますよう、エールを送りたいと思います。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
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