柚希礼音さんのエッセイを読んで〜タカラジェンヌも、私も〜
先日、柚希礼音さんのエッセイ、『夢をかなえるために、私がやってきた5つのこと』が発売されました。
- 作者: 柚希礼音
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2015/10/21
- メディア: 単行本
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私が宝塚にハマる大きなきっかけとなった柚希礼音さん。
私は宝塚が大好きであると同時に、柚希礼音さんという一個人のファンでもあります。
まだまだ宝塚を好きになって日が浅い私ですが、柚希さんのことを初めて知った時、不思議な感覚を覚えました。
それは、宝塚のトップスターという、自分からは遥かに遠い雲の上のような存在であるはずの柚希さんが、何だかとても身近に、親近感と親しみを持って感じられたことです。
その後、宝塚のことを知れば知るほど、柚希さんのことを知れば知るほど、トップスターという存在の大きさや柚希さんの凄さに気づいていったにも関わらず、柚希さんを身近に感じる気持ちは変わりませんでした。
ファンクラブにも入っていなければ入り出待ちをしたこともない私なのに、なんでこんなに身近に感じるんだろう?と不思議に感じていました。
ある日、星組本か何かに載っていた柚希さんのインタビューを読んだ時、その謎が解けました。
柚希さんは、いつも自分の言葉で、自分の気持ちを飾らない言葉で話しておられたのです。
そうして語られる言葉はとても素直で、時に真意をついていて、印字された文字を通しても、それを読む私の心に真っ直ぐに届いてきていたのでした。
まるで、直接語りかけられているかのように。
まるで、自分がインタビュアーとして目の前に座っているかのように感じられたのでした。
エッセイにも、柚希さんの言葉で「自分をさらけ出す」ことや「立派になることをやめること」など、飾らない自分でいることが、かえって自分を輝かせたことが書いてありました。
「飾らない自分」「ありのままの自分」
言葉だけを見ていると聞こえがよく、そんな生き方もイイね!と思ってしまいますが、素直に自分をさらけ出すことって意外と難しいです。
「すごいと思われたい、魅力的だねって見られたい、賢いって言ってもらいたい」などという願望が頭をもたげてきて、強みも得意も弱みも苦手も含めた「ありのままの自分」を受け入れることは、自分が一番難しいと思います。
しがない一般人である私でもこんな調子ですから、トップスターであった柚希さんが「自分をさらけ出そう」とするまでに感じていらした心の葛藤は、もっともっと激しかったと思われます。
私は、宝塚歌劇団のトップスターという存在は、言葉は悪いかもしれないですが、一種の飾り物的な要素を含むものであると、個人的に思っています。
これは決して、トップスターさん達の実力を否定する意味で言っているのではありません。
ただ、トップスターシステムという制度が持つ特徴として、特定の生徒を「組の顔」とし、神格化とまではいかないまでも「他の生徒とは違う特別な存在」として祭り上げる働きがあると思うのです。
そんな中で、柚希礼音という芸名を背負い、男役という役割を背負い、さらには「特別な存在」であるトップスターという看板を背負いながらも、「飾らない自分」でいることを決意し、「特別でいて飾らない存在」でいることができた柚希さんは、月並みな感想ですが本当に凄いなと思います。
退団後は、ブロードウェイミュージカルに初挑戦される柚希さん。
ブロードウェイってアメリカやん!とますます遠い存在になっていきそうな柚希さんですが、エッセイからは、私が初めて柚希さんを知った時と変わらない親近感が感じられ、改めて不思議さを感じました。
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なんだか柚希さんへの熱烈なラブコールのような記事になってしまい、途中、人生論みたいなのとか、偏見にまみれたトップスター論とかも書いてしまいました………。笑
観劇diaryとか言いながら、全然観劇レポート書いてないし!なんか源氏物語の登場人物の考察ばっかりしてるし!突然に柚希礼音さんの凄さを語り出すし!と、なんだかブログの方向性を完璧に見失ってる今日この頃ですが…
今後もこんな感じで、思いつくことをつれづれに書いてまいりますので、お付き合いいだけましたら嬉しいです!