月組が観たい、チケットが欲しい、財布はカラカラ、残高ドキドキ〜月組観劇レポート〜
みなさま、ご機嫌いかがでしょうか。
だいすんでございます。
今回は、月組公演「BADDY~悪党は月からやってくる~』のレポートを書きたいと思います。
三角関係・矛盾・葛藤をかかせたら右に出るものはいない(※個人的見解です)、あの、上田久美子女史によるショー初演出は、月組でした。
お芝居の初演出は、これもまた月組の『月雲の皇子』。主演はどちらも珠城りょう。
上田先生とたま様とのあいだの絆を感じずにはいられませんが、観劇中はそんな絆を感じている余裕もないくらい、頭は混乱・心はグチャグチャに興奮する、そんなショーでございました。
タイトルからして、また公演の解説文からして、ぶっ飛び感満載のショーなのではないかと思っていたのですが、意外や意外、いや、あの上田先生の演出と思えば納得の、根底のテーマはまじめなショーでした。
以下、感想です。
(※例によって、ネタバレを含む記載があります。ご留意ください。
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- 珠城りょうさん
きました。ついにきました悪い役。開演アナウンスからして飛ばしています。サングラスをかけています。たばこも吸っています。銀橋にも寝転んじゃいます。食い逃げもしちゃいます。あんなことや、そんなことです。
たま様BADDYの好きなところをあげたらキリがないのですが、大きく2つ挙げると、ビジュアルとキャラが最高に好きでした。
見た目・・・たばこを吸う手元・口元はもちろんなのですが、なんと言ってもそのカツラ。Twitterにも書いたのですが、若干モジャモジャ感のある毛足の長いあのカツラが、どうしてもモンチッチに見えるのです。
グラサンをかけてたばこを吸うモンチッチたま様・・・・・・。
ものすごく母性をくすぐられて、大悪党のはずなのに愛さずにはいられません。大悪党というよりガキ大将みたいに思えます。「悪いことしてやるぜ!」という意気込みにも「まぁまぁ、夕飯までには帰っていらっしゃいよ」と言いたくなるくらい、なんだか可愛い風貌なのです。
見た目だけではなくキャラにも可愛らしさがあります。
GUDDY(愛希れいかさん)に追いかけられるのも自分が好きだからと素直に信じたり、SWEET HEART(美弥るりかさん)に叱られてガビーンとなったり、お土産ひっさげてただいまを言ったり・・・
きっと根は素直で、悪いことにも大まじめに取り組む人で、ただ、ピースフルプラネット地球のうさん臭さや融通のきかなさに愛想を尽かして、自由に生きられる月の世界に確信犯的に移住したんだろうなぁ・・・と、思わずスピンオフ的なものを考え出さずにはいられない、そんな可愛いBADDY様なのでした。
- 愛希れいかさん
これまで愛希さんは、ハーミアやジュリエット、カルメンやグルーシンスカヤと、いろいろな役を演じてこられました。
少女から大人の女性まで・・・このショー作品では、1時間の中でいろいろな愛希さんを楽しむことができます。
個人的には、ロケットダンス前後でのGUDDYの変化に、娘役・愛希れいかの真骨頂を見たように思いました。
「怒り」「憎しみ」と「愛情」「恋慕」。
相反するグレーな感情は、まっしろホワイティな世界で生きてきたGUDDYにとって、とても新鮮で生き生きとしたものだったのでしょう。
それまで可憐な女の子だったGUDDYは、このロケダン以降、赤いドレスのよく似合う大人の女性に変身します。
特に、たま様とのデュエットダンスには胸を打たれました。
生と死、愛と憎しみのはざまで踊るBADDYとGUDDY。
愛する人を捕まえて(もしくは殺して)自分は生き延びるか、憎むべき相手とともに死ぬか…。
デュエットダンスは愛と幸せの絶頂のなかで結ばれる2人を描きだすようなイメージがありましたが、今回のショーでは、濃度100%の葛藤のすえに結ばれる2人が描きだされていました。
こんなかたちのデュエットダンスもアリだなと思わされる、そんなシーンでした。
個人的にロケダンの場面で、同期の晴音アキさんとともに下級生を従えて誰よりも激しく踊る愛希さんの姿を見て、ふと、これが愛希れいか最後のショー作品なんだとの思いがあふれ、感慨ぶかいものがありました。
トップ娘役・愛希れいか。
その最後の輝きの瞬間まで、しっかりと、応援し続けたいと思った、そんなショーでした。
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こうして書き始めてみると、ひとりひとりの出演者にドラマがあって、何回見たら全体像を把握できるのかとめまいがしてきました。
まだまだ書きつづけたいところですが、少ししんみりムードにもなってきたので、続きは次回の更新で。
次回は、美弥さんのSWEET HEARTの麗しさ、月城かなとさんのポッキー巡査の愛らしさ、宇月颯さんのしびれるかっこ良さ、輝月ゆうまさんの宇宙人のピロピロ・・・などなどについて書いていきたいと思います。